最近読んで良かったもの

●『はたらく細胞Lady』原作:原田重光 漫画:乙川灯 監修:清水茜 講談社

 『はたらく細胞』に派生作品がめちゃくちゃあること知ってました? 私は知りませんでした。女性に特有の/よくある身体症状に特化した作品で、主人公は執事姿のマクロファージさん。体の主である「お嬢様」のために日夜はたらく細胞たちの話です。

 「お嬢様」はおそらく健康と美容に物凄く気を遣うタイプの女性で、冷え性とか貧血とか色々な症状にかなり的確な対策をし、細胞たちの仕事をアシストしてくれます。まさに女神。自分がいかに細胞に対してブラックだったのか思い知らされた。ごめんねマクロファージさん……。ゴムバンドとアロマオイル買ってきます……。

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●『推し、燃ゆ』宇佐見りん 河出書房新社

 アイドルを推している女オタクが主人公の小説。推す対象こそ違えど同じオタクの仲間としてかなり共感できる。わかるよ……友達の推しが燃えた時「無事?」って訊くよね……。

 でもこの小説、実は「オタクの物語」として一筋縄に読むことはできないんです。主人公は発達特性上、学校の提出物やアルバイトなど、普通の人が毎日当たり前にやっていることがどうしてもできないという苦しみを抱えている。一人称小説なので、周囲の世界に馴染むことができない疎外感や、そんな世界に唯一絶対の秩序を与えてくれる「推し」の存在の大きさがかなり強烈に伝わってきます。主人公の感情の質量と彼女が感じている生きづらさのリアリティが半端じゃない。芥川賞取るのもわかるわ……。正直この作品の感想書こうとすると記事が一本書けるのでこれぐらいにしておきます。しんどかったけど読んで良かった。おすすめです。

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●『ここは今から倫理です。』雨瀬シオリ 集英社

 試し読みが最高すぎて既刊大人買いした。まだ五巻しか出てないので買い時ですよみなさん。

 ミステリアスな高校の倫理教師、高柳先生を中心に繰り広げられる生徒たちの群像劇です。 彼のクラスにいる生徒たちはそれぞれ色々な悩みや問題を抱えていて、それが高柳の言葉によって解消したりされなかったり、救われたり救われなかったり……。毎話毎話、社会問題も織り交ぜつつ一人一人の生徒について深く掘り下げているので今何かで悩み苦しんでいる人にはクリティカルにぶっ刺さったりする。個人的にこの話の良いところは明快な結論があるとは限らないところと、高柳先生が完璧ではないが信頼できる大人として描かれているところです。ちなみに私が一番好きなのは第4話。

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●『ちごなぐ詩集「おこしやす」』子種潰乳子殴

 疲れが限界の時に読むと安眠できます。

booth.pm

 

 おわり~👋